Case_forrou

FORROU

労務管理システム

株式会社セルズ様

「社労士の仕事を、おもしろく」をモットーに、人事労務関連ソフトウェアの開発・販売・サポートを行っている株式会社セルズ。「台帳」「Cells給与/WEB明細」などの多数の商品を手がけた同社が、2023年にリリースした社会保険労務士向けクラウド型労務管理ソフト「FORROU(フォロー)」。このプロジェクトの課題と南国ソフトとともに行った施作、今後の展望について、代表取締役社長・加藤雅也氏に伺いました。

お話を伺った方

株式会社セルズ 代表取締役
社会保険労務士

加藤雅也(かとうまさや)様

課題

社会保険労務士、顧問先担当者、従業員と労務管理に関わる属性の異なる利用者三者がそれぞれ使いやすいサービスを提供するにはどうしたら良いか検討に行き詰まっていた

試作

・利用者の行動が複雑に絡み合うシナリオを体験マップで整理した
・アイデアを両社が互いに提案しあう二人三脚の体制を構築した
・合同ハッカソンによる両社エンジニア同士の交流の場を設けた

効果

・サービスに必要な画面や機能など具体的なアイデアを出せるようになった
・検討時間の短縮によって触って動かせるプロトタイプ開発をすぐに行えるようになった
・技術交流で新たな価値観に触れたことで技術力が高まりサービスの質が向上した

労務に関わる人に喜んでもらうためには何をすべきかを考える

普段どのような業務をされているか教えてください。

社会保険労務士(以下・社労士)の業務の品質と効率を向上させるために、人事労務関連ソフトウェアの開発・販売・サポートを行っております。

プロジェクトの目的およびに概要を教えてください。

顧問先との“一体感”を高め、企業の健全な発展をフォローすることを目的にしたプロジェクトです。これまで社労士の業務では、労務管理ごとに複数のツールを覚えて使いこなせるようになる必要がありました。
顧問先との連絡も大変で、情報共有や確認も決して効率的ではありませんでした。これらを改善するために、届出・給与計算ソフトを統合した一連の労務管理をスムーズに行えるサービスの提供を目指しました。このプロジェクトによってリリースされた「FORROU」では、操作が簡単で初めてでもすぐに使えるようになっています。

画像はFORROU公式サイトより
プロジェクトにおいてどのような課題を感じていましたか?

労務管理を行う社労士、お客様である顧問先、そこに務める従業員と属性の違う利用者にむけて、誰にとっても使いやすいサービスにするためには、どのような内容にするべきか検討するのに行き詰まってしまったことが大きな課題でした。また利用者に最適なソリューションを提供するために、必要な人手も時間も足りていない状況でしたので、デザイン・開発支援の必要性も感じていました。

考えたことを見えるカタチにする

アイデアを形にするためのアプローチを教えてください。各社でどのような工夫をなさいましたか?

まずはセルズと南国ソフトさんの両社で行ったこととしては、労務に関わる三者がそれぞれどのような行動を取っているかを体験マップで整理をしました。セルズで聞き取りを行った現場の利用者たちの声をもとに、誰がどのタイミングでどの労務にどう関わっているかシナリオが可視化されたことで、課題に感じていた検討の行き詰まりが解消されました。

これによって、どのような画面や機能が必要か具体的なアイデアをセルズのチームで出せるようになりました。さらに、セルズが出したアイデアをもとに南国ソフトさんから新たなアイデアが生まれ、互いに提案を重ねることでどの利用者にも自信をもって提供できるサービスを考えることができました。

南国ソフトさんにはアイデアをもとに画面デザインを提案してもらい、プロトタイプの開発もお願いしました。セルズのチームでフィードバックを行い、南国さんに改善してもらうというフローを繰り返して、プロジェクトを進めていきました。両社でアイデアを出し合う二人三脚のアプローチで、手に取って触れるプロトタイプをすぐに作ってもらえるのがよかったです。

セルズと南国ソフトさんの連携と結束を高めるために実施した合同ハッカソンも、面白いアプローチの一つでした。両社の技術交流によって、情報の共有がよりスムーズになり、開発スピードも上がりました。

手応えを感じた瞬間などプロジェクト中にどのような“面白さ”を感じたか教えてください。

まずは体験マップを使って、各属性の利用者の動きを俯瞰してみることができるようになったことで、さまざまな気づきが得られたことが面白かったです。デザイン的なアプローチによって、情報をどのように組み立てて見せていくかということについて、新たな発見があったことも興味深かったです。
また合同ハッカソンで、両社のエンジニアが互いに新しい価値観に触れて技術力が高まり、サービスの質が上がったことも大きな意義があったと感じています。南国ソフトさんとの会話によって、さまざまな業界・業種の情報を知ることができ、自分たちがいる業界の当たり前に縛られない考え方で、新しいアイデアを出しやすくなりました。

沖縄での合同ハッカソンの様子
今後プロジェクトをどのように運用していきたいと考えていますか?

FORROUの利用者を増やして、社労士と顧問先が一体となった労務管理を広めていきたいです。社労士が各種届出の作成や給与計算など一般的な業務への対応だけでなく、労務管理の改善も提案できるコンサルタント的な業務も行っていけるようにするのが今後の大きな目標です。
そのためにも、社労士業務に従事しつつもモノづくり集団の一つとしてさまざまな取り組みに挑戦して、自分たちをアップデートしていきたいです。セルズと南国ソフトさんでの合同ハッカソンも定期的に行って技術交流をしながら今後も互いに切磋琢磨しあいたいですね。

FORROUの波及によって労務管理が大きく変わっていくのですね。社労士の地位向上のためのセルズ様の挑戦的な試みに、我々も日々大きな刺激を受けています。
セルズ様が思い描く構想を実現させるため、引き続きサービスの検討・開発ともに全力で伴走できるよう努めます。

会社名
株式会社Cells(セルズ) 様
事業内容
人事労務関連ソフトウェアの開発・販売・サポート
設立
1984年 01月
従業員数
64名